『イシューからはじめよ』書評|効率よく成果を出す「本当に解くべき課題」の見極め方

毎日必死に働いているのに、成果が見えない。

上司から求められる成果は高いのに、なぜか空回りしてしまう。

そんな焦りやモヤモヤを抱えたことはありませんか?

私自身、30代に入ってから、時間も労力も使っているのに「本当にこれでいいのか?」と感じる場面が増えました。

頑張っても頑張っても、手応えがない。その原因は、単なる努力不足ではありませんでした。

今回読んだ安宅和人さんの『イシューからはじめよ』は、そんな現状を打破する「仕事の本質」を教えてくれる一冊でした。

『イシューからはじめよ』とは? 本当に成果を出すための思考法

本書は、発売から14年以上売れ続け、累計58万部を突破したロングセラーです。

そして、2024年には改訂版が発行され、新たに「課題解決の2つの型」や現代に合わせたコラムも加わりました。

著者の安宅和人さんは、ビジネス・研究の両方で成果を上げ続ける第一人者。

この本で伝えたいのは、単なる“頑張り”ではなく、

「今、本当に取り組むべき課題(=イシュー)を見極めること」

この一点です。

「手当たり次第にがんばる」のではなく、

「最も価値のある一点に集中する」

これこそが、仕事の生産性を劇的に高めるカギなのだと、本書は教えてくれます。

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犬の道に踏み込むな──頑張っても報われない理由

本書でまず強烈だったのは、「犬の道」という表現です。

犬の道=重要でないことに手当たり次第に取り組み、集中力を分散させる生き方

この道に足を踏み入れてしまうと、いくら努力しても、いくら時間をかけても、大きな成果は得られないと著者は断言します。

まさに、かつての自分そのものだと感じました。

目の前のタスクを次々こなし、忙しさに酔いしれる。

けれど振り返ると、大して意味のある成果は出ていない。

この状況を抜け出すためには、「イシューを絞り込む」ことが絶対条件だと本書は教えてくれます。

つまり、「本当に答えを出すべき問い」を見極め、それ以外には手を出さない覚悟が必要なのです。

仮説を立ててから動け──闇雲な努力はもうやめる

次に重要なのが、「仮説を立ててから仕事を始める」という考え方です。

著者はこう言います。

まず仮説を立てる。

それによって、何の情報が必要か、どんな分析が必要かが明確になる。

つまり、仮説なしに手当たり次第情報を集めたり、分析に手を出したりするのは非効率の極みだということです。

実際、仮説があると、

  • どこを深堀りすべきか
  • どの作業が無駄かがはっきりします。作業のスピードも判断の質も段違いに高まるのです。

私自身も、資料作成や提案をする際、まず「仮説ベース」で構成を考えてから動くようになりました。

その結果、上司や取引先への説明がスムーズになり、「仕事が早いね」と言われることが増えました。

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一次情報に触れる──机上の空論ではなく、現場で感じる

「情報収集」というと、ついネット検索や資料読み込みを想像しがちですが、本書は違います。

イシュー特定のためには、必ず一次情報に触れよ。

一次情報とは、誰かを介した情報ではなく、自分が直接見聞きした生の情報のことです。

たとえば、地方の市場について考えるなら、現地に行き、自分の目で街を見て、人の声を聞くべきだといいます。

机上で得た情報には、必ず誰かのフィルターがかかっている。それでは本質をつかむのは難しい。

これは、30代になり、机の前で完結する仕事が増えてきた自分には特に刺さりました。

「本当にイシューを見極めたいなら、まず現場を見に行こう」

このシンプルな行動指針を、強く胸に刻みました。

「so what?」「なぜなぜ5回」で本質に迫る

イシューを見極めるためには、単なる情報集めでは足りません。

必要なのは、「問いを重ねること」です。

本書で紹介されている2つのアプローチが非常に有効でした。

so what?(それがどうした?)

「問題です」と言ったら、「だから何?」と自分に問い直す。

その答えに対してさらに「それがどうした?」を繰り返す。

これによって、表面的な現象ではなく、本当に解くべき課題にたどり着くことができます。

なぜなぜ5回

ある問題に対して「なぜ?」を5回繰り返すと、自然と原因の根本に行き着くという手法です。

たとえば、「売上が落ちた」という事象に対して、

  • なぜ?→新規顧客が減った
  • なぜ?→広告効果が落ちた
  • なぜ?→ターゲット設定がズレている……と掘り下げるうちに、表面的な対策(広告費増やすなど)ではなく、本質的な打ち手(ターゲット再定義)に気づけるのです。

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実生活で感じた変化

本書を読んだあと、私は仕事の進め方を大きく変えました。

  • 目の前の依頼に飛びつく前に、「これってイシューなのか?」と自問する
  • 仮説を立ててから資料作成を始める
  • 必要なら現地に行き、一次情報を得る
  • 問題が出たら「なぜなぜ5回」で深掘りする

これらを意識しただけで、無駄な作業や無意味な議論が激減。

タスクの数は減ったのに、仕事の質とスピードは格段に上がった実感があります。

なにより、「これをやる意味はある」と確信して動けるので、精神的にもぶれなくなりました。

まとめ:努力より「問い」の質を高める

『イシューからはじめよ』は、単なる仕事術の本ではありませんでした。

それは、

無駄な努力をやめて、意味のある問いに全力を注ぐための本

です。

  • 毎日頑張っているのに、成果が出ない
  • 忙しいのに、手応えがない
  • もっと仕事を効率的に進めたい

そんな30代ビジネスマンにとって、間違いなく必携の一冊だと感じます。

努力は素晴らしい。だけど、それ以上に大事なのは「どの問いに向き合うか」。

その重要性を教えてくれる『イシューからはじめよ』。

今、仕事にモヤモヤを感じているあなたに、心からおすすめします。

ありがとうございました!

また次回。

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